
2008 年 9 月 29 日
けやきに会い、「君の味方になるから」と言った数日後、
店に掛けていた、立山の写真を真剣に見ている女性が現れた。
そして、私に、この写真誰が撮られたの?と、聞いてきた。
私が、昨年の秋撮りました。と答えると、彼女は、
「この写真に、透明な空気を感じる」とつぶやいた。
その前の年の秋、アトピーの悪化で、好きな野球も断念し、目標を失い、目の輝きを失った長男と一緒に立山縦走の旅に出た。
私自身、当時早朝から、深夜まで働き、休みの日は、安全な食品を作っている生産者を訪ねて各地飛び回っていたが、店の赤字は、とどまることなく、かなり疲れていた。
その日の、立山から見た、富山湾方面に沈んでいく夕日は、生涯一番とも言える素晴らしい光景で、自然が織り成すドラマに言葉もなくし魅せられる。
長男と同じ時間を共有し、二人で刻々と移り行く情景を目の前にし、日頃の疲れも吹っ飛び、「このような美しい星に生まれて、こんな経験をさせてもらっている私は、幸せ者だ」と思い、なんともいえない幸福感と、安らぎを感じた。
隣で見ている長男も、何かを感じているようだ。
翌日の立山縦走も、かなりきつい山登りだったが、美しい景色とともに思い出深く、長男との、一生忘れえぬ旅となった。
旅から帰ってから、明らかに長男の目に輝きが戻り、私も、必死に仕事に打ち込んだ。
その頃、一人の女性が来店し、「やっと、私が探していた店を見つけた」と、私に言ってくれた言葉を聞いて、涙が溢れ出る。
私の撮った立山の写真に透明な空気を感じると、言われた女性は、児童文学作家の西村恭子さんで、彼女との出会いが、けやきコンサートに繋がることになるとは、その時は、まだ知る由もない。





















