
2009 年 1 月 20 日
朝、目覚めると、鳴門の海は朝日を浴びてきらきら輝いていた。
朝風呂を浴びた後、朝食をいただきにダイニングに向かう。
窓際に用意された席からの海を臨む眺望も 素晴らしかったが、料亭古今青柳がつくった朝食の見事なこと。
最初に出てきた「十二皿の中に盛り込んだ青柳の日本料理の数々」の一品、一品、手のこんだ味わい深い料理、そして熱々ふわふわの卵焼き、美味しいおかゆとごはんの両方をいただき、体が喜んでいるのが解る。
あらためて食の大事さ、食の可能性を思いながら、しばし思索にふける。
そして、今回の旅のもう一つの目的である、大塚国際美術館に展示されている、震災で亡くなった加藤貴光君が母に宛てた、陶板になった手紙を見に行く。
お母さんの加藤りつこさんは、広島から昨年のけやきコンサートにも来てくださった。
そして、息子の貴光くんは、世界平和の為に国連で働く夢を描き、広島から神戸大学に入学したが、西宮の被災地で短い生涯を閉じられた。
実際に、貴光君の書いた手紙を目の前にして、筆跡からも彼の温かな人柄が伝わってくる。
以下、全文です。
親愛なる母上様
あなたが私に生命を与えてくださってから、早いものでもう二十年になります。
これまでに、ほんのひとときとして、あなたの優しく暖かく大きく、
そして強い愛を感じなかったことはありませんでした。
私はあなたから多くの羽根をいただいてきました。
人を愛すること、自分を戒めること、人に愛されること・・・・・。
この二十年で、私の翼には立派な羽根がそろってゆきました。
そして今、私はこの翼で大空へ翔び立とうとしています。
誰よりも高く、強く自在に飛べるこの翼で。
これからの私は、行き先も明確ではなく、とても苦しい。‘旅‘をすることになるでしょう。
疲れて休むこともあり、間違った方向へ行くことも多々あることと思います。
しかし、私は精一杯やってみるつもりです。
あなたの、そしてみんなの希望と期待を無にしないためにも、
力の続くかぎり翔び続けます。
こんな私ですが、これからもしっかり見守っていてください。
住む所は遠く離れていても、心は互いのもとにあるのです。
決してあなたはひとりではないのですから・・・・・。
それでは、くれぐれもおからだに気をつけて、
また逢える日を心待ちにしております。
最後に、あなたを母にしてくださった神様に感謝の意をこめて。
翼のはえた‘うし‘より
・・・・・言葉が出ない。
彼は、今では天使になって人々を応援しているのだろう。




















