オーナー三好一郎のブログ

<プロフィール> 学生時代は野球に熱中。ひじの骨折で野球を断念後、バイトと旅に明け暮れる。そして、北海道へ家出、牧場で働いた後各地を放浪。一転、税理士を目指し広島の学校へ入学後猛勉強。初心者から4ヵ月足らずで簿記一級試験にトップで合格するが、体を動かす仕事の方が性に合っていると帰省、家業の食料品小売にたずさわる。その後、高校2年の夏から付き合っていた典子と結婚。

2006 年 3 月 1 日

 長男が、 『親父、留学していた時、お世話になった人に お礼を言いに、アメリカに 
 行くけど、一緒に 行けへんか? ホール フーズ マーケット 見んでもええの?」
 アメリカの、オーガニック スーパーマーケットを 見てみたいと、思っていた時 だったので
 嫁に、相談すると、『 いっといでー!」と、一言。
 長男も、アメリカの、オーガニック グリーン マーケットに、興味が あるらしい。
 ニューヨーク、サンフランシスコを、中心に、巡るプランを、考え始めた。
 憧れの、グランド キャニオンにも、行きたい、
 ニューヨークの、ヴィレッジヴァンガードで、ジャズも 聴きたい。

2006 年 3 月 3 日

関空からサンフランシスコまで9時間半のフライト。
サンフランシスコで乗り換えて、5時間半かけて、ニュヨークに行かねばならない。
ここからは、個人旅行であるから、まったくの男二人旅がはじまる
まわりは、アメリカ人ばっかりで 日本人の姿は、まったく見かけられない
周りの人が、何を言ってるのか まったくわからない
祥平が、前のアメリカ人と しゃべっている 祥平が何か冗談でも言ったのか、
アメリカ人が大声で 笑っている 息子が急に頼もしく見えてきた。
サンフランシスコからの、フライトは天気も最高で、窓側に座れたので 下に見える
景色を堪能した、1時間見ていても、荒野と山脈が連なり、次には、砂漠が延々と
続き、全く町が見えてこない、
アメリカは、とにかく でっかいなあー!

夜になって、ニューヨーク上空にさしかかってきた
眼下には、マンハッタン島を中心に、まるで、宝石をちりばめたような 夜景がひろがっている
なんて 美しい光景なんだろう、これほどまでの夜景をみるのは、はじめてである。
8時過ぎに、無事 ニューヨーク ケネディ空港に到着、関空を出発してから17時間が
経っている、さすがに少し疲れたので マンハッタン島にある、ホテルまで、タクシーで向かう
ことにした。 タクシーの窓から見えてきたマンハッタン島の姿 あ、あれは。
エンパイヤーステートビルだ、クライスラービルの姿もはっきりと、見えてきた。
胸が、高まってきた ニューヨークに、やってきたぞー!

 

夜9時ごろに、予約していた 高級ホテル ミレニアムに到着する。
ここは、普通なら ツインルーム一泊 5万円は、 するところなのだが、友人の紹介で
なんと、一泊1万5千円で 泊まることが、できるのだ。
国連本部のそばにある、すばらしく贅沢なヨーロピアンスタイルのホテルで、ガラス張りの
外観は壮観としかいいようがない。
チェックインをすませ、(持ちの論、長男が) 上層階の客室へ、
ドアを開けて 目に飛び込んできた光景に、おもわず息を呑む。
目の前に、エンパイヤーステートビルが、そして、クライスラービルをはじめとする
マンハッタンの名建築の高層ビル群の夜景が広がっている。
美しい!おもわずそこに、立ちつくしたまま しばらく動けなかった。

 

2006 年 3 月 4 日

ホテルのレストランで軽く食事を済ませた後、眠りに就く。
しかし、ニューヨークの夜に興奮していたのか、5時前に目が覚める。
窓の外を、ぼんやりベッドの上で見ていると、藍色の空が、茜色に変わってきた。
ベッドから立ち上がり、窓の近くの椅子に腰掛け、外の景色に目をやると、イーストリバー
から、少しずつ朝日が顔をのぞかせ、その光が、エンパイヤーステートビルをはじめとする
マンハッタン島の高層ビルを次々と照らし、ニューヨークの町が眠りから目覚めていく、その
刻一刻と、移り行く神秘的な光景に魅了され、しばし、言葉をなくす。

 

朝7時半頃に、ホテルを出発 スターバックスで朝食をとりグランドセントラルターミナルへ、
1913年に建造された歴史的建造物の駅で、ドームの天井にはプラネタリウムさながらの
星座の天上図が美しい。祥平は、1年前に留学していた西海岸から、列車を乗り継いで
たどり着いた駅らしく、感慨深いものがあるようだ。
地下鉄で、週4回開かれるユニオンスクエアーのにグリーンマーケットに向かう。
ここは、ニューヨーク郊外の農家や漁師らが野菜などの収穫物や自家製食品を持ち寄り
直接販売を行っている。野菜、果物、魚、肉、チーズ、パン、卵、牛乳、蜂蜜、お菓子など
青空の下で数十件の生産者が丹精こめてつくられた食べ物が売られている。
オーガニックの野菜、果物も多く、初めて見る食べ物もあり、ワクワクしてくる。

 

今は3月の初めなので、ニューヨークの気温も日中10度位なので、グリーンマーケットも
野菜などは、レタスなどの葉物類は少なく、土物類が中心になるので、色合いは、少し
地味に見えるが、ディスプレイは上手である。
なにより、売っている人が生産者であり、商品に、 自信と誇りを持っているのでしょう
男女問わず皆さん、いい顔をしているし、オシャレである。
特に、50歳を超えていると思われる人達が、素敵でカッコイー!
私も、見習わなくてはならない。

 

ユニオンスクエアーのグリーンマーケットの前に、昨年ホールフーズマーケットが、進出していた。
マーケットを調査した、ベストの決定だろう。
1階は、レジとデリカテッセン、地階が野菜などの生鮮売り場,2階が1階で売られている
デリ惣菜を、持ち込んで食べられるイートインコーナーになっている。
まず、最初に、エレベーターで地階に、ワー!スゴイ!
野菜の売り場が、圧倒的なボリュームと絶妙なカラーコントロールで構成されている。
おもわずカメラを取り出し3ショット撮ったところで、南米系の従業員に、
「こらー、何写真とっとんねん、えーかげんにせんかい!」
と、英語?で怒られた。

 

地階の、野菜、肉、魚等の生鮮売り場も,色々参考になったが、
1階のデリ惣菜売り場には、度肝を抜かれてしまった。
とにかく広い売り場に、サラダ、スープ、寿司、ピザ、チキン、ビーフ、パスタ、チーズ等の
コーナーがあり、それぞれのジャンルの種類も、サラダは、35種類、カレーも20種類
寿司は40種類、チーズなどは数え切れない。
どこのコーナーも、中で、南米系、アジア系の職人さんが大勢でライブ感たっぷりで、
おいしい匂いをさせて作っている、ローストチキンやローストビーフ等、見ているだけで
食欲が湧いてくるし,どれを見ても 美味そうだ!
明日の夜に、二階のイートインコーナーで食事をすることを決め、
タイムワーナーセンターに新しくできた、ホールフーズマーケットに向かう。

 

タイムワーナーセンターのホールフーズマーケットは、地階にあるのだが、人々が、
途切れることがなく、エスカレーターで降りていく。 
売り場の半分近い面積が、デリ惣菜売り場になっている。
それにしてもデリ惣菜売り場の人ごみは、ものすごい!
ちょうど12時頃なので、近くのビジネスマン達も多く人気のコーナーでは、
行列ができている。イートインのコーナーもあるのだが、そこでも席が空くのを
たくさんの人が待っている、そこで食べるのには、まずレジで精算を済まさなくては
ならないのだが、10台以上あるレジには、それぞれ20人を超える人が長い列を
つくって待っている。
ここで昼食を、と思っていたのだがアッサリとあきらめる。
さて、どこで昼飯を?

 

さて、どこでお昼をとガイドブックで色々調べていたら、
近くのトランプインターナショナルホテルの1階に、ジャンジョルジュという
ミシュランでも三ツ星に輝いたレストランを発見。
祥平に、予約の電話を入れてもらうと、少し待ってもらうと席が取れるとのこと、
イザ、ニューヨークのフレンチ料理界の巨匠ジャンジョルジュの店へ。
さすがニューヨークを代表するフレンチの名門だけに、ドアの前で緊張する。
いやいや、ここでひるんではおられない、いざ、突撃!!

 

ジャンジョルジュの中はスタイリッシュなニューヨークデザインで、
サービスも洗練されている、周りはセレブ風の人達が大半だ。
前菜とメインのブリックスランチコース24ドルというリーズナブルな料理を
選択、メインはサーモンとポークを選ぶ、前菜はアートのような盛り付けでしばし
見とれる、メインのほうもシンプルだが美しい。
味は、美味しいのはもちろんだが今まで食べてきた日本のフレンチでは味わった
ことのない斬新な味だ。

 

マンハッタンきっての住宅街アッパーウエストサイドに向かう。
このあたりはグルメフードストアー5軒が徒歩10分以内に集まっているところで
なかでも一番の老舗がゼイバーズで、70年の間ニューヨーク市民に愛されている店だ。
中に入るとここでも惣菜デリ売り場が圧倒的な存在で、ローストチキン、パスタサラダなど
の人気のコーナーには長い列ができている。
そして、この店で私が惹きつけられたのがスモークサーモン売り場の60を越えている、いきな
おっちゃんで長い列のお客さんのオーダーを聞きながら、それにユーモア豊かに冗談などを
言いながら、<何を言っているのか判らないのだが>見事な腕前でサーモンをスライスしていく、その姿の絵になること。この仕事を、そしてお客さんをこよなく愛しており、そしていかに周りの人々を喜ばせようと思っているのかが伝わってくる。
その姿のかっこいいこと、写真は写せなかったがその姿はまぶたに焼き付けている。

 

ゼイバーズを出てから、シタレラに、ここはもとは魚屋からはじまったらしく、
魚の品揃え品質はマンハッタンで一番で惣菜コーナーでも魚料理が多い、
次の、フェアウエイは野菜を圧倒的なボリュウムで、一番上に手が届くのか?
と思うほど積み上げている、グロサリコーナー、肉のコーナーも同じく豊富な品揃えと他の店より安く売ってお客の支持を得ている。
しかし、私にとって一番魅力的だったのがバルドゥッチスだったのです。
 その話は次回に。

 

バルドゥッチスは1915年に初代バルドゥッチス氏が家族を残して単身イタリアから移民して
小さなスタンドで野菜と果物を売ることから始まった店で、その当時は、死に物狂いで頑張ったのでしょう、その後家族を呼び寄せ少しずつ店を大きくしていったようだ。
その決して大きくない、外光が入らない、天井から足元まで商品がゴチャゴチャ並んでいる店内の雰囲気が迷路のおもちゃ箱に迷い込んだようでわくわくする!大好きな店だ。
しかし後日2代目バルドゥッチスが大手グルメフードストア、<サットンプレイスグルメ>に店を売却をしたことを知り愕然とする。

 

2006 年 3 月 5 日

いよいよ憧れのソーホーのディーンアンドデルーカへ!
ドアを開けて中に入ると高らかにワーグナーのオペラが鳴り響いている、否が応でも気分が高揚してくる、これも計算済みの演出だろう、まず野菜果物のディスプレイが素晴らしい、まるで美術館で見るアートのようだ、色と形をデザイン感覚で組み合わせ
色々な籠を使って美しく見せている、続く肉、魚、デリ惣菜もやはりディスプレイがセンスあふれる美しさで見ているだけで興奮してくる。
ディーンアンドデルーカは食の美術館だ!

 

ディーンアンドディルーカは学校教師をしていたジョルジョ、ディルーカ氏が自分自身が買い物をしたいと思うような店をと、世界中のベスト商品から納得できるものを選りすぐり、店と言う空間の中で編集するというビジョンの元で誕生。小さなチーズショップが始まりでその後出版社役員をしていたジョエル、ディーンに出逢い、さらにデザイナーのジャックセドリックが加わって、世界のグルメ憧れの店に発展していった。
五感すべてで美しいとかんじられるもので店を埋め尽くしたいそして客を誘惑するというジャックの独自の感性が今の魅惑的な店を作り上げているのだろう。
3人の男の出逢いがあのディーンアンドディルーカという夢を実現させた。
私にもそんな出逢いがあるという予感がするのです!

 

ディーアンドディルーカを出てから、ユニオンスクエアーのホールフーズマーケットに向かう。
夜7時を回っているが多くの人々がデリ惣菜売り場で買い物を楽しんでいる。
私たちも美味しそうな盛り付けと、匂いに、誘惑されてしまう。
サラダから、スープ、チキンにビーフ、パスタに寿司、カレーも美味しそうだ。
息子と二人、うまそうやなー、ええにおいやなー、と大いに迷いながらも次々に紙容器に入れていき、最後はビールを買って、2階のイートインコーナーへ。
ちょうど窓際の席が空いたので夜のユニオンスクエアーを眺めながらまずはビールで乾杯。そして料理の味はというと、これが予想以上に美味しいんです。
息子と、美味しいなーと言いながら、色々な料理を楽しみ、そして大満足の完食。
あなどれないなーホールフーズマーケット。

もうひとつ食事中に素敵なシーンが。
食事の最中、目の前に黒人の女の子が現れ、窓からユニオンスクエアーを見ていると、
ちょうど食事の終わった斜め前の若い白人の女性がその女の子に笑顔で話しかけてから、
その場を立ち去った。
息子に今、彼女はなんて言ったのかと聞くと、『この席は、私のとっておきの場所なの、景色も素敵でしょ、あなたも素敵な時間を過ごしてね!」
ウーンと、うなってしまった、今の私にはとうてい言えないせりふだ。
素敵な女性だった!

 

2006 年 3 月 6 日

今日は、長男が、ニューヨークの友達に会って昼食を一緒にするから、親父、半日、自由行動していてくれと言われた。彼は、ちょうど1年前、留学していた西海岸のサンディエゴから、列車を乗り継ぎ、友達の、そして、その友達というように初対面の人の家にも、泊まらせてもらいながら、ニューヨークにたどり着き、そして、その時、友達も多くできたようだ。
彼には、私にはない、勇気と度胸があるのが、最近やっと解って来た。

午後3時に、グランドセントラル駅で待ち合わせることにして、私は一人、ぜひ行きたかった、
ニューヨーク近代美術館(MOMA)に出かけた。
私の最近のライフワークの一つになりつつあるのが、各地の美術館巡りで、建築、デザインの好きな私は、それらの収集では、世界でもトップのMOMAは絶対にはずせない。

近年MOMAは、日本人建築家の谷口吉生(たにぐちよしお)氏の設計で、大改築工事が終わっており,氏の言葉「お望みであれば、建築自体、消して見せましよう」の言葉も興味深い。

新しいMOMAは、ガラスを多く使い自然光をふんだんに取り入れ、光の効果を上手く使い、
特に「光の庭」と呼ばれる広大な空間には、柔らかい光に満ちていて、場所を変えれば、はっとするほど、ドラマチックな空間に見えてくる。
氏が設計したMOMAは、やさしく、はかなくもエレガントであり、そして力強い!

館内には、私が好きな、マチィスやモネの作品も数多くあるが、途中、背中に強い「気」を感じ、振り返ると、そこに、一枚の絵が!
ピカソです。

 

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 今夜で、ニューヨークともお別れということなので、夕食は、奮発してニューヨーク・タイムス紙で、三ツ星レストランに輝いた、BLTフィッシュへ予約を入れる。
 このレストランは、料理本「ゴー・フィッシュ」の著者でもあるシェフ、ローラン・トロンドが開店。
洗練された内装とフレンチテイストのアメリカン・シーフードが話題になり、ニューヨークでベストシーフードのレストランとして呼び声が高いレストランだ。

 ユニオンスクエアにある店に、予約していた午後7時に到着、すぐに、エレベーターで3階に案内される。3階は、天井がガラス張りの、オープンキッチンになっていて、私達は、中央のベストであろう席に案内される。周りはもちろんアメリカ人ばかりで、それもかなりのセレブ風の人たちばかりだ。

 マネージャーらしき人が、ウェルカム、ジェントルマンと言って挨拶に来る。
メニューを見ながら、スモークサーモンの前菜、スズキのソテーガーリック風味、ニューヨーク近海のロブスターのグリルをオーダーし白ワインで乾杯。
次々出てきた料理は、まさしくベスト・シーフードと形容されるにふさわしい味で、特にロブスターのグリルはここ、ニューヨークでしか食べれないだろうと思わせてくれる美味で,食べながら思わず笑みが込みあがってくる。
サービスも心地良く、料理も最高、ニューヨークの最後を飾るにふさわしいレストランだった。

 BLTフィッシュを後にして、いよいよ憧れのジャズクラブ、ヴィレッジヴァンガードへ。
グリニッジ・ヴィレッジ通りに面した赤いドアーを押し開け、薄暗い階段を降りていくと、ここで演奏した歴代のジャズのビッグアーティストの写真が壁に掛けられ、雰囲気最高の空間だ。
1961年6月25日に、私の大好きなピアニスト、ビル・エバンスのライブ演奏が、ここヴィレッジ・ヴァンガードで録音された。私の座右の名盤、「ワルツ・フォー・デビィ」で、今まで何度聴いてきたことか・・・、その都度私のオーディオルームから、60年代のニューヨークのヴィレッジヴァンガードにタイムトリップしていた。

 今夜は、ヴィレッジ・ジャズ・オーケストラの演奏で、腕達者な連中ばかりで、彼らのスィングするスタンダードのジャズに夜遅くまで酔いしれた。

 

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